こんにちは、写真家のちかしです。
突然ですが、「モノの見方」について考えたことはございますか?
日常生活において、私たちはあらゆる出来事や物事を、当たり前のように受け止めているものです。けれども、その「当たり前」を少しだけズラしてみたり、違う角度から見てみたりすると、新しい発見があるかもしれません。
そこで本日は、ちょっと面白おかしく、しかし大切な視点の変え方についてお話ししてみたいと思います。
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見え方ひとつで世界が変わる?
「視点を変える」と聞くと、少し小難しいイメージを抱かれる方もいるかもしれません。
「要するにポジティブシンキングをすればいいのでしょう?」とか、「立場を変えて物事を見ろって学校で言われた」という印象もあるでしょう。しかし、視点の切り替えは単にポジティブになるためだけではなく、日常にちょっとした驚きや発見をもたらしてくれる、意外な“魔法”のようなものでもあるのです。
たとえば、一見何の変哲もない道端の石ころだって、アーティストの方から見れば「作品になりそうなフォルムをしている」となるかもしれません。
また、自然好きの方にとっては「この石はどこの川から流れてきたのだろう?」「どんな歴史を経てここにたどり着いたのだろう?」と想像がふくらむかもしれません。
こうしたちょっとした「ネタ」は、自分が普段持っているフィルターを通さずに見たとき、はじめて顔をのぞかせるのです。
モノの見方は「フィルター」と「視座」の合わせ技
視点の変化で注目されるのは、しばしば「フィルターを外す」という表現です。フィルターとは、いわば自分の経験や固定観念が作り出す、“思考の色メガネ”のようなものですね。たとえば、昔から「虫は苦手!」と思い込んでいる人が、虫を見たら即座に「キャー、こわい!」「気持ち悪い!」となりがちです。しかし、その虫が実はどれだけ美しい模様を持っているか、とか、どれだけ自然界で重要な役割を果たしているか、といったことを知ったら、「意外と奥が深いかも」と見方が変わる場合もあるのです。
もう一つ重要なのは「視座」。これは自分の立ち位置や立場を指す言葉で、その人がどこからどんな風に物事を眺めているかを表す概念です。たとえば、山頂から街を見下ろすのと、狭い路地の真ん中で周囲を見回すのでは、見える景色や感じ方がまったく違いますよね。それと同じで、普段は自分のごく狭い範囲でしか物事を見ていないときでも、少しだけ上の位置や、あるいは違う場所から眺めてみると、見えるものが変わってくるのです。
「当たり前」をくすぐる視点
では、具体的にどのような方法でモノの見方を変えればいいのでしょうか? 一つの方法として、「当たり前」を少しだけ疑ってみる、というものがあります。たとえば、「空は青いものだ」と思い込んでいる人は多いですが、夕方はオレンジ色に染まりますし、明け方には薄いピンクや紫色になることもありますよね。雲ひとつない日は透き通るようなブルーであっても、梅雨の時期にはどんより灰色の空ばかり、ということもあるでしょう。青いと思っていたはずの空は、実は毎日のように刻々と変化しているのです。
こうした意識を持つだけで、空を見上げる回数が増えてきます。「今日はどんな色をしているんだろう?」と気になったり、「この雲の形はなんだか怪獣みたいだな」と想像力を膨らませたり。そうすると、“当たり前”に思えていた空が、実は全然当たり前じゃなかったことに気づきます。それこそが視点を変える第一歩です。
立場が変わると見方が変わる
また、誰かと会話をするときにも、視点の違いが大きく影響してきます。自分の価値観では当たり前のことでも、相手にとっては「え、それどういう意味?」となることもあるものです。たとえば、同じ食べ物を食べていても、「甘くて幸せ〜」と思う人もいれば、「味が薄くて物足りない」と感じる人もいるでしょう。こうした場合には、「え、なんで美味しいと思わないの?」と相手を否定するのではなく、「なるほど、この人はこういう味の好みなのだな」と受け止めてみるだけでも、自分自身の世界が少し広がります。
これは「多様性」の理解ともつながっています。たとえば、学校や職場でチームワークが求められるとき、いろいろな考え方や価値観の人が集まっていると混乱する半面、「そんな見方もあるのか!」という気づきが増えてきます。自分とは正反対の意見を持つ人に初めは驚いてしまうかもしれませんが、その相手の視点を少し取り入れるだけで、自分にとって新しい発想が生まれる可能性があるのです。
「面白い」を探しに行く旅
モノの見方を変えることは、何も難しい哲学書を読み漁るとか、無理やりポジティブ思考を貫く必要があるわけではありません。大切なのは、自分の中の「面白い」という感覚に敏感になることです。ちょっとした好奇心をくすぐるような現象や、思わず「おや?」と首をかしげたくなるような事柄に出会ったときこそ、視点を変えるチャンスなのです。
たとえば、普段歩き慣れた道をあえて一本横道に逸れてみる、いつものスーパーではなく少し遠い市場まで足を伸ばしてみる、あるいは特に意味もなく雲の形を眺めてみる。そんな“小さな冒険”の積み重ねが、「あれ、こんな素敵な景色があったんだ」「こんな面白い形の野菜が売ってるんだ」といった発見につながります。そして、そうした小さな驚きや感動が、また新しい視点を生み出してくれるのです。
視点のズラし方は無限大
最後に、「モノの見方」の面白いところは、そのアプローチが無限大に存在する点だと思います。たとえば、美術の分野では“シュールレアリスム”と呼ばれる手法があり、日常の風景をわざと不自然に組み合わせて「こんな世界もあるかもしれない」と見る人の想像力をかき立てる作品が多くあります。文学の世界でも、ユーモアやアイロニーを用いることで現実をちょっと歪めて描きつつ、本質を浮き彫りにする作家さんがいらっしゃいますよね。
このように、私たちが「当たり前」や「常識」だと思い込んでいるものは、実はほんの一部に過ぎません。モノの見方が変わるだけで、そこに隠れた魅力や可能性が浮かび上がってくることもあります。少しだけ視点をズラす、あるいは立場を変えてみる、そんな“小技”を日常に取り入れてみると、ほんの少しだけ世界が広がったような感覚を味わえるのではないでしょうか。
モノの見方を変えるコツは、「当たり前を疑ってみる」「自分のフィルターや立場から離れてみる」「ちょっとした面白さを探してみる」、この3点に尽きるかもしれません。これらは大げさに言えば、日々をちょっぴり豊かにする“トリック”のようなものです。いつも見慣れているはずの景色でも、「今日はどんな風に見えるかな?」と考えてみるだけで、新鮮な発見があるかもしれません。
ぜひ皆さんも、明日からちょっとだけ視線の角度を変えてみてください。地味だと思っていた日常が、実は色とりどりの輝きを放っていたことに気づくかもしれませんよ。それでは今回はこの辺で。次回もまた、新しい視点を発見する旅を一緒に楽しんでいきましょう。